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企業が取り組みやすいワーケーションのかたち

更新日:2021年6月29日

企業は社員のワーケーションをどう応援するのか


一般的にワーケーションは、リゾート地や自然豊かな環境などで、

開放的な気持ちで働き、仕事が終わればのんびりとリラックスしたり

好きなアクティビティをしたりして過ごすという働き方です。


フリーランスの方にとっては、ワーケーションなる言葉が生まれる前から

そのような働き方をしてる方も多いかと思いますが、

企業に勤める方がワーケーションとなると、

そもそも「余暇」については個人の問題なので、

会社としてどう関わるのだろうかという疑問がありますし、

会社側としては、セキュリティーの問題であったり

業務時間や内容の把握が難しいといったことがあるので

いくらリモートワークが進んできているとはいえ、

なかなか気軽に導入することできないだろうなと想像できます。


では、企業として取り組みやすいワーケーションとはどういうものでしょうか?


白川町グリーンツーリズム協議会では、農泊の推進として、ゲストハウスの整備や

アクティビティ・体験メニューの開発などなど、

地域の魅力を再構築(Reborn)しているところなのですが

これは、ワーケーションの受け入れと内容が重なる部分が多いので、

昨年からネット環境の整備やコンテンツの見直しなど、

ワーケーションに繋がる部分の改善に積極的に取り組んできました。


しかし初めてのことで、こちらとしても実際に何を求められているのか

分かりませんでしたので、まずモニターとして

近隣の都市に営業所を持つ企業に利用していただきました。


その際に、事前にご要望等をヒアリングをしたのですが、

そこで伺った企業のニーズとしては


①コロナ禍で社員研修ができていない

②身体を動かす機会が減っており、社員の心身の健康維持が課題


ということがありました。


なるほど、コロナは身体だけでなくて、社員のコミュニケーションの機会を奪い

心まで蝕んでくるのか!と憤りを感じますが、

そんな時だからこそ、広々とした白川町の空のもと、美味しい空気を吸って

ワーケーションをしてほしい!と願うばかりです。


ということで、企業の担当の方と検討した結果、

今回のモニターワーケーションプログラムとしては、


・「研修」を中心としたワーケーション!


となりました。


利点として、研修ということであれば、企業活動の一環であるので

会社としても人的・金銭的にバックアップがしやすい状況が作れるということ。

また、少人数のチームを複数回に分けて行うワーケーションであれば

リスクマネジメントしやすいということもあります。

(今回は参加者を1回に3名とし、それを6回実施した)


滞在は1泊2日とコンパクトですが、とても中身の濃い内容となりました。

まず今回の研修内容は、


「方眼ノート講座」+「有機農業体験」 です。


「方眼ノート講座」は、和ごころ農園の伊藤さんを講師に招き

「外資系コンサルタントや東大合格生が使っているノート」というキャッチーな部分から

「思考の整理やプレゼンのためのノートの使い方」という実践的なところまで、

2日間かけて、じっくり講義していただきました。


これについても、事前にいつも企業で取り組んでいる研修内容を伺った上で、

その内容ともリンクするかたちで進めたので、より理解が深まったように思います。


また有機農業体験では、こちらも伊藤さんの指導のもと

大根の種まきや芋掘り、味噌作り体験などをしていただきました。

作業中に聞いたタネの品種や交配などの話も新鮮だったようです。


タイムスケジュールとしては

1日目の午前9時45分から12時30分まで方眼ノート講座①。

お昼休憩の後、13時30分から16時まで方眼ノート講座②。

ささっと夕食の準備をした後、

「ととのう」をテーマに、テントサウナやヨガなどのアクティビティ体験。

18時くらいから地元食材をつかった楽しい夕食・・・風呂、就寝。。。


2日目は午前8時30分から、自転車で近くの畑まで移動して農作業に汗を流し

午前10時から12時までは通常業務と研修のまとめ、片付けなどをして、

解散〜地元飲食店で昼食・・・

という流れでした。


アンケート結果 ※ページの下の方です。


全体的にとても良い感想をいただきました。

農業体験やアクティビティも大変好評で、受け入れ側としてもほっといたしました。


やってみて、気づいた点としては


アクティビティは有料のものも多いので、会社の福利厚生として

費用の補助等を行っていただくと、利用率が上がってありがたい

(少人数では受け入れできないアクティビティもあるので)

ということがあります。(今回はモニターでしたので、参加者の方に、

アクティビティや飲食店で使える地域クーポン券をプレゼントいたしました。)


そして、事前に、ある程度利用者のニーズや属性等を伺っておくことで

きめ細やかな対応が可能になる、とういうことです。

事前に打ち合わせをしたことで、

受け入れ側としてはしっかり準備ができましたし

参加者にとっても満足度が上がり、お互いにWinWinであったと思います。


今後は、このワーケーションという働き方を、SDGsの観点からも整理し、

SDGsなワーケーション・社会貢献型ワーケーションとしても

利用していただきたいと考えています。


白川町のような人口減少の進む中山間地では、

地域の宿泊施設やコワーキングスペースを利用していただくこと、

また農業・林業体験や、様々なアクティビティに参加していただくこと自体が、

SDGsへ十分つながる活動となります。

また白川町では、カーボンオフセット・J-VER制度を取り入れています。

企業のCSR活動にもつながる「SDGsなワーケーション」を取り入れてはいかがでしょうか。


今回は「研修型」のワーケーションのご紹介でしたが、

施設を社員のチームで貸し切りにした「合宿型」のワーケーションも可能ですので、ぜひご利用いただければ、と思います。



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