リジェネラティブ・オーガニックを目指して
更新日:2021年6月29日
素敵な、美しい畑づくり

2021年の1月5日 ある本に出会って、僕たちの「農」に向かう姿勢、視点が大きく変わりました。
どれくらいって、畜糞堆肥を使った有機農業から 肥料を一切投入しない、無肥料自然栽培へ転換したときと同じくらい。 いや、それ以上のインパクトがあります。
出会った本は、 ドローダウン 地球温暖化を逆転させる100の方法 (山と渓谷社) です。

温室効果ガスに着目し、排出量をピークアウトさせるための方法が様々な分野で紹介されています。 先進国を中心に、二酸化炭素の排出量を〇〇年比で数%削減する目標などを掲げていますよね。 最近ですと、パリ協定がそれにあたります。(詳しい数字は調べてみてください) でも、この表現だと二酸化炭素の排出を減らせているように感じるんですが、 実態は、この20年、毎年増えているんですよ(2020年はコロナ禍で減少していますが)。
気候変動はもう待ったなし。 手遅れ寸前です。 僕たちの子供、孫へこのままバトンタッチではあまりにも無責任。
じゃあ、日本で有機農業をやっていて何かできることあるのか?
その答えというか、視点、問いがこの本には書いてあります。
そもそも「食」の分野は僕たちが想像する以上に、二酸化炭素を大量に排出しています。 それを知れただけでもこの本の価値はあります。 さらに、小さな農家でもやれることある!とう気づき得られたんです。 食の分野を中心に読みましたが、そこで気になるキーワードが!
環境再生型農業 英語だとRegenerative Agriculture(リジェネラティブ アグリカルチャー)
リジェネラティブとは、 生態系全体を守り、再生し、繁栄させるための という意味合いです。
サステイナブル(持続可能な)な視点もとっても大切ですが、リジェネラティブの方がより包括的で、気候変動に立ち向かうための羅針盤になる考え方だと感じています。
環境再生型農業とは、 1、できるだけ耕さない 2、植物で土を覆う(緑肥などを育てる) 3、多様な輪作体系を組み込む ことを目指す農業です。 必ずしも有機農業でなくてもOK。 上記の3つをクリアしていくと、自然と化学肥料を使う量が減り、有機肥料への転換も可能で、条件が揃えば、無肥料栽培へと収量を落とさずに移行できる事例が海外で多く発表されています。
湿潤で農薬使用量の多い日本で可能か? ましてや、僕たちがいる中山間地でも可能か?
この問いだと、できない理由がたくさん挙がっちゃいます(汗)
だから、 日本の状況でも、中山間地だからこそできる環境再生型農業ってどんな農業?
と問いを立て直します。
すると、小さいながらもできることが見えてくるんですね。
就農する前に思い描いていた「理想のカタチ」がここにある気がしてワクワクしています。
まずは、無肥料自然栽培の時と同じように、小さく実験してみます。
地球も、参加してくださる方も、地域も、そこにいる生物たちもみんなHappyになる畑を目指して、 Happy Yard Project と名付けました。